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    <title>日立のろかずの缶つま</title>
    <link>https://hitachi.kashi-hondana.com</link>
    <description>日立のろかずの缶つま・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 日立のろかず.</copyright>
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      <title>点火 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40483</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　一瞬の無重力感のあと、足の裏に踏み固められた土の感触が戻ってくる。最初に鼻を突いたのは、排泄物と腐敗臭、そして獣の体臭が煮詰まったような濃厚な悪臭だった。

　ここは王都ルモニエから数キロ離れた、亜人軍の野営地だ。

　シャーディをエジプトに送り返してから、五ヶ月ほどが経っている。

　十二月の風が吹く中、粗末な天幕が無秩序に並び、略奪品や補給物資が泥の上に積み上げられていた。そこらじゅうでオークやゴブリンが喚き散らし、あるいは負傷して呻いている。オレの姿が突然現れても、彼らは遠巻きに畏怖の視線を向けるだけで誰一人として近づこうとはしない。

「――お待ちしておりました、クランドさま」

　一番大きな天幕を開くと、一ヶ月前に転移で移送しておいたダルデの姿があった。さすがに戦場だからか、神殿に居るときのような全裸姿ではない。衣服の上から鎖帷子を纏い、頭部と鼻先を覆う兜を被っていた。両側部の...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>※１１３〜１２２話のあらすじと登場人物 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40482</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[プレネウズの丘での戦いから二ヶ月後。

テラクマに拠点を移したデボン商会を訪れた蔵人は、トゥラムからロジードと転移者集団〈アメリカ〉の生き残り・デイヴを紹介される。彼らは蔵人が「現代兵器」や「転移能力」を持つことを察していた。ルゴン騎士修道会総長のゲルデラーはすでに魔王討伐のため西へ出航しており、残された彼らは蔵人の力を頼りに保護を求めてきたのだった。

蔵人は自身の目的を隠し通し、彼らの仲間であるシャーディたちを迎えるため、ネウデ修道院へ向かう旅路に同行する。しかし道中でデイヴに核心を突かれたため、蔵人は自身の秘密を守るべく、山中でデイヴとロジードを射殺。すべてを落石事故に偽装し、闇に葬る。

その後、オークに変身して西大陸への潜入を試みた蔵人は、システムバグにより「管理者空間」へ弾かれる。そこでゲームマスターを名乗る〈白枠〉エインセルと対峙し、この世界が「蔵人のためだけに作られた」とい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>救済 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40118</link>
      <pubDate>Sat, 25 Apr 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　部屋の中には、一人の男が樫木のベンチに座っていた。

　白人の男性だった。雑誌のモデルみたいに｜端正な顔立ち《ワシーム》で、旅装のわりに身なりは整っている。年齢はよく分からない。わたしと同じくらいだろうか。窓からの光を背にしているせいで、顔の輪郭だけが浮かび上がって見える。

　この人が……クロード？

　でも、クロードはテンシアン――アジア人みたいな顔立ちだとロジードは言ってたけど……。

　ううん、大丈夫。どっちにしても、〈プレイヤー〉がわたしを狙う理由なんてないもの。

「……言葉は分かるな？」男は少し眉を顰め、どこか落ち着かない様子で言った。ハイデア語だった。「独りか？」

「部屋に子供を待たせてますけど。あなたは……クロード？」
「オレは“エス”だ。ここの修道士には伝えてたはずだけどな」

「え、あ……そう、でした。そう聞いてました」――“エス”？　でっちあげの存在じゃなかった...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>異郷 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39934</link>
      <pubDate>Sat, 11 Apr 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　そもそもわたしは、信仰に熱心なタイプじゃなかった。

　礼拝には行く。ラマダーンはダイエット感覚でやる。外出するときはヒジャブを被る――それは信仰というより習慣だった。家族のため、近所の目のため、インスタに載せる写真のため。神さまを信じていないわけじゃない。ただ、わたしにとって｜宗教《イスラーム》は生活の一部であって、心の拠り所ではなかった。

　だから、こうして知らない神に祈るふりをしていることには違和感こそあるけれど、罪悪感はない。

　石造りの礼拝堂は冷たく、朝の日差しが高窓から降り注いで、床に青白い光を落としている。今はわたしとミューダだけ。修道士たちの祈りの時間とはずらされていて、彼らの姿はない。禁欲生活を送る男たちにとって、女は居るだけで穢れなのだろう。大昔のクリスチャンみたい――いや、きっとそのものだ。

　祭壇の上には、大理石で作られた“柱”のオブジェが鎮座していた。この...]]></content:encoded>
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      <title>英雄 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39754</link>
      <pubDate>Sat, 28 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　それは、残酷なほどに透き通った灰青色のビー玉のようだった。

　映り込んでいるのは、薄汚れて歪んだ男の姿。あるいは美しい湖畔に棄てられた廃棄物のようにも見える。

　オレは思わず目を逸らしたくなった。見られているだけで、黒い内側を鷲掴みにされるような居心地の悪さを覚える。

　五月二五日。

　遭遇したのは商館の廊下だった。三歳くらいか。小さな身体は、鮮やかな茜色のチュニックに包まれている。滑らかな生地の光沢や、襟元に施された金糸の刺繍が、庶民の子供には手の届かない高級品であることを物語っていた。白い麻の頭巾から覗く金色の巻き毛は、光を受けて柔らかく跳ねていた。

　前髪の隙間からくりくりとした瞳を覗かせ、口を半開きにしたままオレの顔をまじまじと観察している。トゥラムを訪ねてきている貴族か商人の子だろうか。小さい子供はみんな似たような服を着せられているので判別はつかないが、手に握りしめた...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>肉柱 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39325</link>
      <pubDate>Wed, 18 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「あはははっ」

　鈴を転がしたような笑い声が、石に反響しながら深い地底へ落ちていく。

　ピラミッド型神殿の内部には、中央の基礎を貫くように、一本の巨大な円塔状の空間が地底へと穿たれている。オレとジルダはその塔の内壁に突き出した螺旋階段を下りていた。手すりもなく、足を滑らせれば奈落の底まで真っ逆さまだ。

　夜目が利く亜人たちに灯りは不要だが、人間であるオレのためか、ジルダは壁へ等間隔に掛けられた人頭骨に触れながら下りていく。そのたびに頭骨の表面がぼうっと青白い燐光を広げ、揺れる白髪を闇の中から浮かび上がらせる。

　めまいを覚えるほどの深淵を覗き込まないよう、オレは湿った石壁に手をつき、彼女が作った灯りだけを頼りに慎重に石段を下りていた。その途中で、表で彼女が言った「〈ダーグ〉を創る」という言葉の意味を問うたところ、とつぜん笑い出されたのだ。

「“服を剥ぎ、人の尊厳を奪う罪人の証”と...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>巫女 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39177</link>
      <pubDate>Wed, 04 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　｜魔獣《ワーグ》の背に乗った｜褐色肌の《ダーク》エルフは、オレの姿を見ても胸の双丘を隠すことなく、ただ呆然と翠眼を見開いたまま小さく呟いた。

「人間――。緑……」ハイデア語だった。「――神託の通り」

　オレもまた、乾いて唾を生まない喉を鳴らし、そいつを見上げ続けた。

　よく見ればエインセルとは似ているが、顔や髪型、身体付きも違う。何よりも、あいつは美紗と声がそっくりだが、こいつのはまるで別人だ。

　オレを見て“緑”と言っていた。【肉体変化】でオークになっていたときに見えていた、敵味方を識別する輪郭線が見えているということか。だとするとこいつは亜人で、オレを味方だと認識している……のか？

　そいつはワーグの背から飛び降りると、白髪のポニーテールを揺らしながら距離を詰めてきた。背は高く、アマニと同じくらいか。山中で気温も低いというのに、上も下も何も着ていない。足元も裸足だ。

　銃...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>魔人 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38580</link>
      <pubDate>Sat, 21 Feb 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　真っ白だった視界に、色と形が戻ってくる。

　みすぼらしい家屋の中だった。土壁には煤がこびりつき、床には藁が散らばっている。壁際には恐怖に歪んだ顔をした若い女と、その腕にしがみつく幼い子供がオレを見上げていた。

　オレの右手には、ずっしりと重たい鉄の感触があった。分厚い灰緑色の皮膚に、血と灰がこびりついた戦槌が握られている。腕の筋肉が他人のもののように軋んだ。しかし、背中から肌の奥まで沁み込んでいたはずの熱は、完全に冷め切っていた。

　臓物と脂が絡む戦槌の先を土床に落とし、握っていた柄を放り出した。それは｜が《・》｜ん《・》と硬い音を立てて床に横たわり、乾いた土埃が舞い上がった。女と子供は目だけを動かし、それを追った。

【肉体変化】を解除する。頭の中でかちりと音がして、身体中が粘土になったかのような感覚がやってきた。骨格が軋み、筋肉が液化し、皮膚が再構成されていく。神の手が――あの...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>リブート - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38365</link>
      <pubDate>Wed, 11 Feb 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　その後、彼らの馬も殺した。

　大雨の降る中で死体と荷をすべて【収納】に回収し、もう一つの西の岩棚道を調べに行った。崖の上から見下ろしながら、どこが崩れやすいか、どの岩なら落とせばそれらしく見えるかを探していると、ちょうど良さそうな場所と、今にも落ちそうな岩があった。

　出来すぎていると思ったが、岩のそばには小さな野営跡を見つけた。おそらく盗賊が旅人を襲うために仕込んだものだろうと考えた。

　岩棚道へ降りたオレは道の上に死体と荷車を置き、もう一度崖上に戻って【収納】で岩を落とし、落石事故に見せかけた。

　――――西の道で落石が起きた。旅の連れがそれに巻き込まれて死んだ。

　麓の宿場町に戻ってそう話し、テラクマに戻ってトゥラムにも同じように報告した。自分は最後尾にいたから助かった、ということにした。

　オレは残りの〈アメリカ〉を始末するよりも先に、二ヶ月前に西へ発ったゲルデラーを...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>末路 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38227</link>
      <pubDate>Wed, 28 Jan 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　朝霧が、運河の水面に乳白色の帳を下ろしていた。

　テラクマの狭い水路を渡るゴンドラが、水を掻く櫂の音とともに、水面に映る建物の輪郭を歪めていく。船尾に座るオレは白い息を吐きながら、対岸の船着き場を見つめていた。

　船首近くに立つロジードは、まるで祈りを捧げるかのように背筋を伸ばし、霧の向こうに広がる本土を真っ直ぐに見据えている。その横顔には何かしらの決意と焦りのようなものが浮かんでいた。

「ここはイタリアのヴェニスそっくりだ。そう思わないかね？」
「イタリアどころか、欧米に旅行したこともないんですよ」

　対面に座るデイヴは、物珍しそうに周囲を見回しながら話しかけてくる。

「そうかね。旅行はいいぞ、クロードくん。故郷に帰ったら、いつかしてみるといい。ところで君の出身は中国かい。クロードは本名なのかね？」

「いや、オレは日本人です。本当はクランドと言います」
「ああ、なるほど。そ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>偽獄 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37734</link>
      <pubDate>Fri, 09 Jan 2026 12:41:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　執務室の窓からは、夕暮れに染まるテラクマの水路が見えている。美しい景色とは裏腹に、この部屋の空気はどこか昏く、薄汚れている気がした。

　トゥラムは返答を待つように、しばらく黙ってオレの目を見つめている。

　――オレが【次元間転移】を使う〈転移者〉だと認知されていた場合。つまりオレの目的がロジードたちに見抜かれていたとしたら。オレに協力を求めるふりをして連れ出し、人目の無い所で殺す……。十分にありうるシナリオだ。

　いや――。本当にただ助けを求めているだけかもしれない。リーダーのスティーブンもゲルデラーもいない今、連中も行き場を失っているはずだ。

「……トゥラム。ちょっと確認したい」平静を装い、あくまで知人の安否を気遣う｜体《てい》で尋ねた。「ゲルデラーさんが船で西へ向かったって話だけど、いつ、どこの港から出たんだ。本当に西の果てまでたどり着けると思うか？」

　トゥラムはようやく...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>※三章までのあらすじ・登場人物 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37503</link>
      <pubDate>Wed, 17 Dec 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[※前回と同様、読みたいところだけ拾って読んでください。一・二章のあらすじは各章の冒頭をご覧ください。


○三章のあらすじ

廃墟となったクルーサ城を調査するスティーブン・ウォーデンと彼の仲間たち。"キャプテン"と呼ばれるリーダー・スティーブンは、城主の娘ミューダから銃を持つ転移者の存在を知る。この強力な転移者を捜し求めて、彼らはトロリスへ向かう決意をする。

一方、蔵人は異世界で得た金塊をカネに換えるためドバイを訪れ、そこで偶然強盗事件に巻き込まれる。変装した姿で富豪ファイサル一家を救った蔵人は彼らと親交を深めることになる。この縁は後に蔵人の人生を大きく変えることになる。

蔵人は異世界でトゥラムらと【次元間転移】を利用した高速通信網「ヘルメス計画」を進め、大きな利益を上げていく。トゥラムは蔵人の懇願で日本を訪れ、互いの絆は深まる。アマニもまた、蔵人のもとで現代格闘技に打ち込みながら、次...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>アクセス - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37489</link>
      <pubDate>Wed, 17 Dec 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　身体が熱い。

　土の上にうつぶせに倒れていたらしく、じりじりとした熱が背中から肌の奥まで沁み込んでくる。ゆっくりと身を起こすと、息苦しい空気と焦げた匂いが鼻を突いた。頭も重い。

　どうやらどこかで戦った後、そのまま地面に倒れ込んでいたようだ。身体の節々がきしむように痛い。手を見れば、分厚い皮膚にこびりついた血と灰――血塗れの戦槌が、手の中に収まっている。

　遠くで甲高い悲鳴が上がる。耳の奧がびりびりする。

　視界の隅を、緑色の輪郭に囲まれた巨体が行き交う。そいつらは仲間だ。一方でそれよりも小さく赤く縁取られた影が、地を這いながら逃げている。あれが敵だ。なぜかそうだと分かる。

　赤い輪郭に誘われるように、身体が自然と立ち上がる。だれかが｜や《・》｜れ《・》と言っている。すべきことに疑問の余地などなかった。

　喉の奥から、獣じみたうなり声が漏れてくる。わけもなく胸の奥が熱くなった...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>此岸 - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33966</link>
      <pubDate>Wed, 11 Jun 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　どこまでも突き抜けるような蒼穹の下。

　翡翠色の海は沖に向かうにつれて紺碧を深く溶かし、雲の影が波打つ海面をゆっくりと滑っていった。


　二月の末にもかかわらず、カリブ海の島国に降り注ぐ太陽は眩しかった。

　気温は二十八度前後と、日本の夏と変わらないほど暖かい。このセントキッツ・ネイビス連邦をはじめ、カリブ海に浮かぶ島々はいずれも常夏の国だ。

　時期の悪い渡航だったが、移住先の住居を決める必要があった。サミールの紹介で現地の不動産エージェントに連絡を取り、選んだ三軒の｜邸宅《ヴィラ》へそれぞれ三日ずつ滞在する予定になっている。

　今回は渡航記録を残すため、【転移】は使わず成田からフライトを選んだ。ダラス経由でマイアミに一泊し、翌日セントキッツの首都バセテールへ向かった。

　オレは一度だけシンガポールに行った経験はあるが、美紗は初めての海外旅行だった。ロングフライトは疲れると聞...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>戦槌４ - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33960</link>
      <pubDate>Sat, 31 May 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ライナスは“ラトラー”の弾倉を外し、上部を指で押し込んだ。

　そのバネの返り具合から、弾丸はほとんどフル装填だと判断した。弾頭は３００ブラックアウト弾。｜衝撃波《ソニックブーム》を抑えた｜亜音速《サブソニック》仕様だ。

　シグの新型｜個人防衛火器《ＰＤＷ》に、ハイペリオンのサプレッサー。ＥＯテックのホロサイト。シュアファイアのウェポンライトか……。ちぇっ、良い装備を使ってるな。金持ちかよ。

　いやそんなことよりも、だ。

　崖縁へ目を向ける。そこには彼が殺したはずの“ウルカ”の死体が無く、スナイパーライフルやスポッター用の単眼鏡だけが残されている。

　不気味だ……。

　さっき撃ってきたのが、俺が殺したはずのウルカだったとしたら、あのＵＦＣファイターみたいな金髪女を加えて二対一。クロードがこっちに来たら三対一だ。そうなったら確実に殺られる。撤退しかない。女の脚にぶち当たったはずの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>戦槌３ - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33944</link>
      <pubDate>Wed, 21 May 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　……ダディ。

　耳が拒絶する。だが、脳は聞き間違いではないと告げていた。

　スティーブンは瞬時に状況を再評価した。戦場で磨かれた本能が警戒を発する――錯覚か、敵のトリックか？　それとも――。

　喉の奥がひりつく。ドローンのスピーカーから聞こえた声――確かにメイベルのものだ。電話越しであろうと妻や娘の声を聞き違えたりはしない。

「……メイベル？」

　無意識のうちに、娘の名前を口にしていた。即座に自己嫌悪が襲う。敵の手口が何であれ、動揺を見せるのは愚かな行為だ。

　特殊部隊の教本には、あらゆる心理的な揺らぎを抑え、適切に対処する教則が含まれる。｜米陸軍特殊作戦群《グリーンベレー》も当然、心理戦、拷問、偽情報には冷静に対処する術を叩き込まれている。だからこそ、かれらはいかなる状況にも対処できる。

《ダディ？　怖いよ……ここ、どこ？》

　しかし世界各地の戦地で作戦行動にあたる軍人...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>戦槌２ - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33933</link>
      <pubDate>Sat, 10 May 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　アマニの視界に赤い飛沫が散った。

　撃たれた――。思考が届くよりも早く、身体は本能的に動いていた。

　岩棚の上で即座に横へ転がりながら、ホルスターから｜拳銃《Ｐ３２０》を引き抜く。狙いもつけず、背後へ向けてトリガーを引いた。静音器の先から飛び出した９ミリ弾が冷たい空気を切り裂いていく。同時に、二発目の弾が自分のいた場所を貫き、岩片を跳ね散らせた。

　アマニはさらに転がり、体勢を立て直して敵の位置を探る。人影が奧の岩陰へと姿を消すのを確認した。牽制射撃を続けながらウルカの様子を見る。

「ウルカ。おい、ウルカっ!?」

　ウルカは動かなかった。

　返事も、反応もない。片目を僅かに開いたまま伏せ、こめかみから流れた血液が頬を伝い、鼻翼から、ぽたりと雫が落ちた。ライフルのグリップから手は滑り落ち、指先すら微動だにしない。

《ウルカ、アマニっ。応答しろ！》

　イヤーパッドから蔵人の無...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>※９８〜１０７話のあらすじと登場人物 - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33931</link>
      <pubDate>Wed, 30 Apr 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　シブロンの副市は亜人の大群に包囲され、トロルの押し進める攻城塔の前で陥落の危機に瀕していた。蔵人はルゴン騎士団と〈アメリカ〉のメンバーを始末するため市内へと潜入し、そこで美紗を強姦した男グラガを発見するも、騎士団と〈アメリカ〉はすでに銃の開発技術を持って町を撤退した後だった。蔵人はグラガを問い詰めた末に殺害する。

　ＰＴＳＤによって看護師の職場を休職することになった美紗は、カリブ海の島国セントキッツで投資による市民権取得が可能な制度の存在を蔵人に伝える。だがウルカとアマニには法的な身元がなく、その制度は利用できない。

　蔵人はドバイのファイサルの紹介で弁護士サミールと接見。サミールは貧困国で失踪した子供に成り済ますことで正規の身元を得られる方法を提案し、蔵人は四人でのセントキッツ移住を目指し、そこに大金を投資する。

　トロリスでは迫り来る亜人の軍勢に対抗するため、ルトリス教会が公会...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>戦槌 - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33932</link>
      <pubDate>Wed, 30 Apr 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　冷たい風が石灰岩の丘を吹き抜け、薄曇りの空の下、乾いた草が波を打つように揺れていた。

　プレネウズの丘――この｜静謐《せいひつ》なカルストの遺跡は、数百年にわたり幾度となく歴史の節目を見届けてきた。かつて神に捧げられた供物の血が染みついた石畳の上に、今また、歴史の節目が姿を現そうとしている。

　丘の頂に残る崩れかけた祭祀跡。古代ハイデア神殿の名残である石柱は、風化に耐えながらなお天を仰ぎ、集う者たちを静かに見守っていた。その背後には白い陣幕が張られ、調印式の準備がすでに整えられている。王侯貴族の控えとして設えられた陣幕は、冷たい風を受けながら陽光の中に揺れていた。

　神殿跡の中央には、粗削りな石台が据えられていた。かつて生贄の血が注がれたであろうその場所が、この日、和平条約の誓約の場となる。厚く積まれた羊皮紙と、条約の証としての銀細工の印璽が、荘厳な空気を一層際立たせた。

　周囲...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>決意 - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33825</link>
      <pubDate>Sat, 19 Apr 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ごおん、と低い破裂音が岩棚に響き渡った。

　薄曇りの空の下、単眼鏡の視界に捉えた遺跡の丘の前で、地面が小さく弾けた。

「あれー？　またずれた……」

　隣から聞こえてきたウルカの声には、不満げな色が混じっている。オレは単眼鏡から目を離し、50口径｜対物狙撃銃《スナイパーライフル》“トレマー”の後ろに伏せた彼女の横顔を見やった。ケレス社の｜静音器《サプレッサー》を装着したことで全長一六六センチとなった銃身長は、ウルカの身長を余裕で超えている。

　狙撃訓練初日の一月九日。ターゲットの鉄板を外したのはこれで十発中七発。命中した弾丸も板の端の方にばかり痕跡を残していた。ボルトレバーを引いて取り出した真鍮の薬莢を、そばの段ボール箱に放り込む。

　プレネウズの丘を見下ろすこの岩棚は、西から吹き入る冷たい風にさらされている。乾いた空気の中で、ときおり遠くでワシが鳴く声が聞こえてきた。谷を挟んで...]]></content:encoded>
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