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    <title>日立のろかずの缶つま</title>
    <link>https://hitachi.kashi-hondana.com</link>
    <description>日立のろかずの缶つま・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 日立のろかず.</copyright>
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      <title>夜嵐 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/41478</link>
      <pubDate>Sat, 15 Aug 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　やがて蔵人は長い息を吐き、【治癒】を発動中の両手を離した。ウルカの傷はまだ完全に癒えてはいなかったが、これ以上は時間が無い。

「……銃撃戦になるぞ。クルーサ城や地下墓地とは違うからな」
「やったことあるよ。スティーブンの家来やっつけたのあたしだし」

　蔵人はそれ以上何も言わず、ウルカの肩に手を触れた。

　裂けたキャミソールの上から迷彩生地の硬い上衣が覆い被さった。ウルカの肩がぴくりと跳ねたが、目を閉じて身を委ねた。蔵人が手を滑らせるたびに布地が入れ替わっていく。同じ装備にチェストリグを加え、ポケットに弾倉を差し込んでやった。

「ご主人、これ上手になったね」
「もう何千回もやってるからな」ＭＣＸラトラーとＰ３２０を【収納】から喚び出し、ウルカに渡す。どちらも彼女が使っていたものだ。

「この子たち久しぶり」「覚えてるか？」
「忘れるわけないよ」

　ウルカはラトラーを受け取ると、チ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>ウルカ - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/41229</link>
      <pubDate>Sat, 25 Jul 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　アスロ人の墓は縦長で、幅は樽一つぶんほどしかない。

　それは墓というより、不要になった肉を捨てるためのゴミ穴同然だった。

　奴隷として使役されるアスロ人は、首と手足を切断してから埋めなければならないと決まっていた。さもなくば、死後にも主人に奉仕しようと墓から這い出てくる。そんな｜悍《おぞ》ましい迷信が、支配者たちの間で信じられていたからだ。

　クルーサ城の城主バルドーサに買われたウルカに割り当てられたのは、死体の処理――墓掘り人だった。それは死刑執行人や皮剥職人と並ぶ、最も｜賤《いや》しい仕事の一つとされていた。

　過酷な労働と理不尽な懲罰に耐えきれず、命を落とした奴隷たちの墓を掘る。それが同胞の死体であったなら、四肢を切り落とし、狭く深い穴の底へ詰め込んでいく。

　肉を断ち切る感触と、顔見知りの死体をパズルのように狭い穴へ詰め込む作業は、それまでの奴隷人生で受けたどんな暴力よ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>二人 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/41075</link>
      <pubDate>Sat, 11 Jul 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　フリゲートベイ・ロードを北に進むと、道路の両側にヤシの木が整列し始める。幹に巻かれたアップライトが葉を下から照らし、並木を夜空へ向かって青白く浮かび上がらせていた。その向こうに、五階建てのリゾートホテルが横たわっている。

　セントキッツ・マリオットは、島で最も大きなリゾートだ。ウルカは蔵人たちと、スーパーへの買い出しで何度も近くを通っているが、ホテルの敷地に入るのは初めてだった。

　エントランスの車寄せに近づくと、明るい黄色の外壁がヘッドライトに照らされた。コロニアル様式の重厚な柱と、その上に掛かる切妻の大屋根。建物の規模は尋常ではなく、この小さな島には不釣り合いなほど巨大だった。

　ウルカはバイクを駐車場の隅に入れ、エンジンを切った。ヘルメットをタンデムバーに掛け、ボディバッグからスマホを取り出してチャットアプリを開く。

　Ulka【着いたよ。どこにいる？】

　メッセージを送...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>夜風 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40988</link>
      <pubDate>Sat, 27 Jun 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ポートザンテの通りを抜けると、歩道の幅が狭くなった。

　クルーズ船から降りてきた観光客の群れが反対側から流れてきて、すれ違うたびにウルカは肩を丸めた。右手にチョコレートフラペチーノの紙カップ。リタが買ってくれたものだった。

　ジュエリー店を出た後、ポートザンテに並ぶ店を冷やかしながら歩いているうちに、チョコレート専門店の中にスターバックスを見つけたリタが、二人分のドリンクを注文した。ウルカは自分の分は払おうとしたが、「あなたはお金を出さなくていいって言ったでしょ」と押し切られてしまった。

　リタの手にはアイスラテの紙カップ。ストローを唇に運びながら前を行く。ペースが速い。脚が長い分だけ歩幅も違うせいか、ウルカは小走りに近い歩調でついていった。

　通りの交差点に出ると、視界が開けた。

　四方向から伸びてくる道路が合流する、円形のロータリーの中心に、先の尖った緑色の屋根を頂いた石造...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>宝石 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40827</link>
      <pubDate>Sat, 13 Jun 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　三月の朝陽がヤシの葉を透かし、芝の上に細かな光の破片を散りばめる。

　散水ノズルから円錐状に広がる水を、ウルカは花壇のハイビスカスに向けていた。

　セントキッツは乾季であり、この月が年間で最も雨量が少ない。ノズルの水が朝の光を受けると、花壇の上に小さな虹がかかった。短い間だけ現れる、自分だけの秘密の虹。それがなんだか好きだった。

　蔵人と美紗はスーパーへ買い物に出ていて、アマニはリビングで勉強中だ。吹き出す水が跳ね返って、ビーチサンダルの素足が濡れるのも、貿易風が首の後ろをくすぐるのも、いちいち気持ちがいい。

　黄色いショートＴシャツの袖や、デニムのホットパンツから伸びたむき出しの手足は、日に焼けて濃さを増していた。美紗には「ウルカちゃん、もう少し露出を減らそうよ」と苦笑いされるが、暑いものは暑い。本当は裸になりたいくらいだ。

　ノズルを別方向へ向けたところで、視界の端に動くも...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>隣人 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40641</link>
      <pubDate>Sat, 30 May 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　助手席の窓から吹き込む風が、トロピカルフルーツの甘酸っぱさと潮の香りを運んでくる。

　一月も半ばに入ろうというのに気温は二十九度。四季に慣れ親しんだ日本人にとって、この小さな島国では、世界が歩みを止めたかのような永遠の夏が続く。

　それでも湿度は日本の盛夏よりいくぶん低い。常に通り抜けてくる貿易風が天然のドライヤーとなり、シャツににじんだ汗をみるみる乾かしていってくれる。


　｜楽園《セントキッツ》と｜地獄《いせかい》を行き来する二重生活も、そろそろ一つの区切りを付けられそうだった。

　昨年末から開始したダルデ率いる亜人軍による奇襲は、ジルダが想定していた以上に順調に進んだ。オレも後方からの工作に専念した。トロリスとルモニエを繫ぐデボン商会の物資輸送を引き受けつつ、注文をした伯爵からカネを受け取ったその足で、輸送情報をダルデに流してトロリスから出港した船を潰させた。

　最初の火...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>点火 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40483</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　一瞬の無重力感のあと、足の裏に踏み固められた土の感触が戻ってくる。最初に鼻を突いたのは、排泄物と腐敗臭、そして獣の体臭が煮詰まったような濃厚な悪臭だった。

　ここは王都ルモニエから数キロ離れた、亜人軍の野営地だ。

　シャーディをエジプトに送り返してから、五ヶ月ほどが経っている。

　十二月の風が吹く中、粗末な天幕が無秩序に並び、略奪品や補給物資が泥の上に積み上げられていた。そこらじゅうでオークやゴブリンが喚き散らし、あるいは負傷して呻いている。オレの姿が突然現れても、彼らは遠巻きに畏怖の視線を向けるだけで誰一人として近づこうとはしない。

「――お待ちしておりました、クランドさま」

　一番大きな天幕を開くと、一ヶ月前に転移で移送しておいたダルデの姿があった。さすがに戦場だからか、神殿に居るときのような全裸姿ではない。衣服の上から鎖帷子を纏い、頭部と鼻先を覆う兜を被っていた。両側部の...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>※１１３〜１２２話のあらすじと登場人物 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40482</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[プレネウズの丘での戦いから二ヶ月後。

テラクマに拠点を移したデボン商会を訪れた蔵人は、トゥラムからロジードと転移者集団〈アメリカ〉の生き残り・デイヴを紹介される。彼らは蔵人が「現代兵器」や「転移能力」を持つことを察していた。ルゴン騎士修道会総長のゲルデラーはすでに魔王討伐のため西へ出航しており、残された彼らは蔵人の力を頼りに保護を求めてきたのだった。

蔵人は自身の目的を隠し通し、彼らの仲間であるシャーディたちを迎えるため、ネウデ修道院へ向かう旅路に同行する。しかし道中でデイヴに核心を突かれたため、蔵人は自身の秘密を守るべく、山中でデイヴとロジードを射殺。すべてを落石事故に偽装し、闇に葬る。

その後、オークに変身して西大陸への潜入を試みた蔵人は、システムバグにより「管理者空間」へ弾かれる。そこでゲームマスターを名乗る〈白枠〉エインセルと対峙し、この世界が「蔵人のためだけに作られた」とい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>救済 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/40118</link>
      <pubDate>Sat, 25 Apr 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　部屋の中には、一人の男が樫木のベンチに座っていた。

　白人の男性だった。雑誌のモデルみたいに｜端正な顔立ち《ワシーム》で、旅装のわりに身なりは整っている。年齢はよく分からない。わたしと同じくらいだろうか。窓からの光を背にしているせいで、顔の輪郭だけが浮かび上がって見える。

　この人が……クロード？

　でも、クロードはテンシアン――アジア人みたいな顔立ちだとロジードは言ってたけど……。

　ううん、大丈夫。どっちにしても、〈プレイヤー〉がわたしを狙う理由なんてないもの。

「……言葉は分かるな？」男は少し眉を顰め、どこか落ち着かない様子で言った。ハイデア語だった。「独りか？」

「部屋に子供を待たせてますけど。あなたは……クロード？」
「オレは“エス”だ。ここの修道士には伝えてたはずだけどな」

「え、あ……そう、でした。そう聞いてました」――“エス”？　でっちあげの存在じゃなかった...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>異郷 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39934</link>
      <pubDate>Sat, 11 Apr 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　そもそもわたしは、信仰に熱心なタイプじゃなかった。

　礼拝には行く。ラマダーンはダイエット感覚でやる。外出するときはヒジャブを被る――それは信仰というより習慣だった。家族のため、近所の目のため、インスタに載せる写真のため。神さまを信じていないわけじゃない。ただ、わたしにとって｜宗教《イスラーム》は生活の一部であって、心の拠り所ではなかった。

　だから、こうして知らない神に祈るふりをしていることには違和感こそあるけれど、罪悪感はない。

　石造りの礼拝堂は冷たく、朝の日差しが高窓から降り注いで、床に青白い光を落としている。今はわたしとミューダだけ。修道士たちの祈りの時間とはずらされていて、彼らの姿はない。禁欲生活を送る男たちにとって、女は居るだけで穢れなのだろう。大昔のクリスチャンみたい――いや、きっとそのものだ。

　祭壇の上には、大理石で作られた“柱”のオブジェが鎮座していた。この...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>英雄 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39754</link>
      <pubDate>Sat, 28 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　それは、残酷なほどに透き通った灰青色のビー玉のようだった。

　映り込んでいるのは、薄汚れて歪んだ男の姿。あるいは美しい湖畔に棄てられた廃棄物のようにも見える。

　オレは思わず目を逸らしたくなった。見られているだけで、黒い内側を鷲掴みにされるような居心地の悪さを覚える。

　五月二五日。

　遭遇したのは商館の廊下だった。三歳くらいか。小さな身体は、鮮やかな茜色のチュニックに包まれている。滑らかな生地の光沢や、襟元に施された金糸の刺繍が、庶民の子供には手の届かない高級品であることを物語っていた。白い麻の頭巾から覗く金色の巻き毛は、光を受けて柔らかく跳ねていた。

　前髪の隙間からくりくりとした瞳を覗かせ、口を半開きにしたままオレの顔をまじまじと観察している。トゥラムを訪ねてきている貴族か商人の子だろうか。小さい子供はみんな似たような服を着せられているので判別はつかないが、手に握りしめた...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>肉柱 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39325</link>
      <pubDate>Wed, 18 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「あはははっ」

　鈴を転がしたような笑い声が、石に反響しながら深い地底へ落ちていく。

　ピラミッド型神殿の内部には、中央の基礎を貫くように、一本の巨大な円塔状の空間が地底へと穿たれている。オレとジルダはその塔の内壁に突き出した螺旋階段を下りていた。手すりもなく、足を滑らせれば奈落の底まで真っ逆さまだ。

　夜目が利く亜人たちに灯りは不要だが、人間であるオレのためか、ジルダは壁へ等間隔に掛けられた人頭骨に触れながら下りていく。そのたびに頭骨の表面がぼうっと青白い燐光を広げ、揺れる白髪を闇の中から浮かび上がらせる。

　めまいを覚えるほどの深淵を覗き込まないよう、オレは湿った石壁に手をつき、彼女が作った灯りだけを頼りに慎重に石段を下りていた。その途中で、表で彼女が言った「〈ダーグ〉を創る」という言葉の意味を問うたところ、とつぜん笑い出されたのだ。

「“服を剥ぎ、人の尊厳を奪う罪人の証”と...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>巫女 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/39177</link>
      <pubDate>Wed, 04 Mar 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　｜魔獣《ワーグ》の背に乗った｜褐色肌の《ダーク》エルフは、オレの姿を見ても胸の双丘を隠すことなく、ただ呆然と翠眼を見開いたまま小さく呟いた。

「人間――。緑……」ハイデア語だった。「――神託の通り」

　オレもまた、乾いて唾を生まない喉を鳴らし、そいつを見上げ続けた。

　よく見ればエインセルとは似ているが、顔や髪型、身体付きも違う。何よりも、あいつは美紗と声がそっくりだが、こいつのはまるで別人だ。

　オレを見て“緑”と言っていた。【肉体変化】でオークになっていたときに見えていた、敵味方を識別する輪郭線が見えているということか。だとするとこいつは亜人で、オレを味方だと認識している……のか？

　そいつはワーグの背から飛び降りると、白髪のポニーテールを揺らしながら距離を詰めてきた。背は高く、アマニと同じくらいか。山中で気温も低いというのに、上も下も何も着ていない。足元も裸足だ。

　銃...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>魔人 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38580</link>
      <pubDate>Sat, 21 Feb 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　真っ白だった視界に、色と形が戻ってくる。

　みすぼらしい家屋の中だった。土壁には煤がこびりつき、床には藁が散らばっている。壁際には恐怖に歪んだ顔をした若い女と、その腕にしがみつく幼い子供がオレを見上げていた。

　オレの右手には、ずっしりと重たい鉄の感触があった。分厚い灰緑色の皮膚に、血と灰がこびりついた戦槌が握られている。腕の筋肉が他人のもののように軋んだ。しかし、背中から肌の奥まで沁み込んでいたはずの熱は、完全に冷め切っていた。

　臓物と脂が絡む戦槌の先を土床に落とし、握っていた柄を放り出した。それは｜が《・》｜ん《・》と硬い音を立てて床に横たわり、乾いた土埃が舞い上がった。女と子供は目だけを動かし、それを追った。

【肉体変化】を解除する。頭の中でかちりと音がして、身体中が粘土になったかのような感覚がやってきた。骨格が軋み、筋肉が液化し、皮膚が再構成されていく。神の手が――あの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>リブート - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38365</link>
      <pubDate>Wed, 11 Feb 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　その後、彼らの馬も殺した。

　大雨の降る中で死体と荷をすべて【収納】に回収し、もう一つの西の岩棚道を調べに行った。崖の上から見下ろしながら、どこが崩れやすいか、どの岩なら落とせばそれらしく見えるかを探していると、ちょうど良さそうな場所と、今にも落ちそうな岩があった。

　出来すぎていると思ったが、岩のそばには小さな野営跡を見つけた。おそらく盗賊が旅人を襲うために仕込んだものだろうと考えた。

　岩棚道へ降りたオレは道の上に死体と荷車を置き、もう一度崖上に戻って【収納】で岩を落とし、落石事故に見せかけた。

　――――西の道で落石が起きた。旅の連れがそれに巻き込まれて死んだ。

　麓の宿場町に戻ってそう話し、テラクマに戻ってトゥラムにも同じように報告した。自分は最後尾にいたから助かった、ということにした。

　オレは残りの〈アメリカ〉を始末するよりも先に、二ヶ月前に西へ発ったゲルデラーを...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>末路 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/38227</link>
      <pubDate>Wed, 28 Jan 2026 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　朝霧が、運河の水面に乳白色の帳を下ろしていた。

　テラクマの狭い水路を渡るゴンドラが、水を掻く櫂の音とともに、水面に映る建物の輪郭を歪めていく。船尾に座るオレは白い息を吐きながら、対岸の船着き場を見つめていた。

　船首近くに立つロジードは、まるで祈りを捧げるかのように背筋を伸ばし、霧の向こうに広がる本土を真っ直ぐに見据えている。その横顔には何かしらの決意と焦りのようなものが浮かんでいた。

「ここはイタリアのヴェニスそっくりだ。そう思わないかね？」
「イタリアどころか、欧米に旅行したこともないんですよ」

　対面に座るデイヴは、物珍しそうに周囲を見回しながら話しかけてくる。

「そうかね。旅行はいいぞ、クロードくん。故郷に帰ったら、いつかしてみるといい。ところで君の出身は中国かい。クロードは本名なのかね？」

「いや、オレは日本人です。本当はクランドと言います」
「ああ、なるほど。そ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>偽獄 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37734</link>
      <pubDate>Fri, 09 Jan 2026 12:41:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　執務室の窓からは、夕暮れに染まるテラクマの水路が見えている。美しい景色とは裏腹に、この部屋の空気はどこか昏く、薄汚れている気がした。

　トゥラムは返答を待つように、しばらく黙ってオレの目を見つめている。

　――オレが【次元間転移】を使う〈転移者〉だと認知されていた場合。つまりオレの目的がロジードたちに見抜かれていたとしたら。オレに協力を求めるふりをして連れ出し、人目の無い所で殺す……。十分にありうるシナリオだ。

　いや――。本当にただ助けを求めているだけかもしれない。リーダーのスティーブンもゲルデラーもいない今、連中も行き場を失っているはずだ。

「……トゥラム。ちょっと確認したい」平静を装い、あくまで知人の安否を気遣う｜体《てい》で尋ねた。「ゲルデラーさんが船で西へ向かったって話だけど、いつ、どこの港から出たんだ。本当に西の果てまでたどり着けると思うか？」

　トゥラムはようやく...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>※三章までのあらすじ・登場人物 - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37503</link>
      <pubDate>Wed, 17 Dec 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[※前回と同様、読みたいところだけ拾って読んでください。一・二章のあらすじは各章の冒頭をご覧ください。


○三章のあらすじ

廃墟となったクルーサ城を調査するスティーブン・ウォーデンと彼の仲間たち。"キャプテン"と呼ばれるリーダー・スティーブンは、城主の娘ミューダから銃を持つ転移者の存在を知る。この強力な転移者を捜し求めて、彼らはトロリスへ向かう決意をする。

一方、蔵人は異世界で得た金塊をカネに換えるためドバイを訪れ、そこで偶然強盗事件に巻き込まれる。変装した姿で富豪ファイサル一家を救った蔵人は彼らと親交を深めることになる。この縁は後に蔵人の人生を大きく変えることになる。

蔵人は異世界でトゥラムらと【次元間転移】を利用した高速通信網「ヘルメス計画」を進め、大きな利益を上げていく。トゥラムは蔵人の懇願で日本を訪れ、互いの絆は深まる。アマニもまた、蔵人のもとで現代格闘技に打ち込みながら、次...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>アクセス - THE WORLD IS MINE IV.</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/2587/section/37489</link>
      <pubDate>Wed, 17 Dec 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>二つの世界を行き来する男。屍の道を歩み続ける彼は、ついに最後の標的へと銃口を向ける。その瞳に映るのは、正気が見せる残酷か、狂気に満ちた悪夢か。善悪の彼岸で繰り広げられる物語は、ついにエンディングの向こう側へと辿り着く。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　身体が熱い。

　土の上にうつぶせに倒れていたらしく、じりじりとした熱が背中から肌の奥まで沁み込んでくる。ゆっくりと身を起こすと、息苦しい空気と焦げた匂いが鼻を突いた。頭も重い。

　どうやらどこかで戦った後、そのまま地面に倒れ込んでいたようだ。身体の節々がきしむように痛い。手を見れば、分厚い皮膚にこびりついた血と灰――血塗れの戦槌が、手の中に収まっている。

　遠くで甲高い悲鳴が上がる。耳の奧がびりびりする。

　視界の隅を、緑色の輪郭に囲まれた巨体が行き交う。そいつらは仲間だ。一方でそれよりも小さく赤く縁取られた影が、地を這いながら逃げている。あれが敵だ。なぜかそうだと分かる。

　赤い輪郭に誘われるように、身体が自然と立ち上がる。だれかが｜や《・》｜れ《・》と言っている。すべきことに疑問の余地などなかった。

　喉の奥から、獣じみたうなり声が漏れてくる。わけもなく胸の奥が熱くなった...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>此岸 - THE WORLD IS MINE III</title>
      <link>https://hitachi.kashi-hondana.com/author/page/1068/section/33966</link>
      <pubDate>Wed, 11 Jun 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
      <description>ついに二人の軛を外した蔵人であったが、道の先には昏い影が落ちたままだった。魔王が滅びれば仲間たちは消える――選ぶべきは愛か、救世か。その答えを出せないまま、虚しい幸福の中で徒に時は過ぎていく。その一方で「世界」を救うべく行動を開始する者たちがいた。彼らは敵か、それとも味方か。蔵人の行く末にかつてない難問が立ち塞がる。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　どこまでも突き抜けるような蒼穹の下。

　翡翠色の海は沖に向かうにつれて紺碧を深く溶かし、雲の影が波打つ海面をゆっくりと滑っていった。


　二月の末にもかかわらず、カリブ海の島国に降り注ぐ太陽は眩しかった。

　気温は二十八度前後と、日本の夏と変わらないほど暖かい。このセントキッツ・ネイビス連邦をはじめ、カリブ海に浮かぶ島々はいずれも常夏の国だ。

　時期の悪い渡航だったが、移住先の住居を決める必要があった。サミールの紹介で現地の不動産エージェントに連絡を取り、選んだ三軒の｜邸宅《ヴィラ》へそれぞれ三日ずつ滞在する予定になっている。

　今回は渡航記録を残すため、【転移】は使わず成田からフライトを選んだ。ダラス経由でマイアミに一泊し、翌日セントキッツの首都バセテールへ向かった。

　オレは一度だけシンガポールに行った経験はあるが、美紗は初めての海外旅行だった。ロングフライトは疲れると聞...]]></content:encoded>
    </item>
  </channel>
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